中国遊歩人は中国駐在ビジネスマンや中国現地採用者の滞在記、中国留学中の日本人留学生の留学生活記、中国旅行記等、中国での生活や中国での見聞をメインテーマにしているBLOGが集まる中国BLOGポータルサイトです。
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| ぺきん日記 -中国/北京より- (元祖exblog版) | ||
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| 要旨 | 満州事変の端緒を担いつつも、五族協和を唱えた石原莞爾。 | |
| ウェブマスター | pandanokuni | |
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| 言語 | ja | |
| Googleのビジネス・センスと中国国内向けインターネット規制強化 | ||
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| 要旨: | Googleの無検閲表示もリンク先にアクセスできなければ無意味 Googleが中国から撤退の検討をしているというニュースは、日本でも大きな話題となりました。Googleが1月12日にブログで発表したコメントは、「今回の攻撃(当社の社内インフラストラクチャーに対する、中国を発生源とするきわめて高度かつ標的を定めた攻撃)と、中国政府が打ち出した監視 ― 加えて、過去数年にわたるウェブ上の言論の自由制限の強化 ― を踏まえ、当社は中国における事業の実現性を再考する必要があるという結論に至った。」と、ハッキングが中国からであることを断定するとともに、その文脈からは幾分唐突気味に、中国政府によるインターネット規制を、事業再考の理由の一つに掲げました。 中国政府によるインターネット規制として、Googleが直接問題としているのは、検索結果表示に対するセンサーシップです。Googleは、天安門事件やチベット、ウイグル問題など、中国政府にとって都合が悪いウェブサイトを検索結果から削除させられており、「現地の規則により、一部の検索結果は表示されていない可能性があります」と表示されています。 ただこのことが、中国国内からのインターネット・ユーザーにとっ不便な規制なのかと考えてみると、実はそうではありません。Googleが中国で検索結果を表示できないウェブサイトのほとんどは、一般的な方法では中国からアクセスできないものなのですから。つまりGoogleが、ガンデンポタン(チベット亡命政府)や世界ウイグル会議のリンクを表示したとしても、中国の一般ユーザーがリンク先のページに辿り着くことはできないのです。 つまり、Googleが中国政府のNGワードの検索結果を表示できたとしても、中国が誇るGreat Fire Wall (不適切な外国サイトを遮断するシステム)が機能する限り、実質的な成果は極めて小さいのです。中国政府のインターネット規制、とりわけ検索結果に対するセンサーシップ(検閲)を事業再考の理由の一つに上げているGoogleを、"Don't be evil (ビジネスで悪さをしない)"精神の発揚だ、などと単純に賞賛する気持ちにはなれません。Googleのビジネスそのものにとって重要な何か(それは何かのソースコードかも知れない....)が損害を受けつつあったから、という推理に共感を覚えてしまうのもそのためです。 インターネット規制の重点が、中国国内に Googleのような派手なプレイヤーが登場しない地味なところで、中国国外のメディアが十分な監視を怠っているうちに、中国のインターネット規制は着実に完成しつつあります。2009年初から、中国政府は国内のインターネットの「大掃除」に着手しているのです。 まずそれは、「低俗ウェブサイト」の一掃から始まりました。工業と情報化省、公安省、文化省、放送映画総局、新聞出版総局など関連するお役所が、それら政府機関を唯一指導する立場の中国共産党への点数稼ぎで競い合いました。 9月には、放送映画総局のライセンスを取得していない中小の動画共有サイトが一斉に強制閉鎖させられました。12月4日には、映画やドラマやソフトウェアを交換でき、中国では人気を博していたBT(BitTorrent)と呼ばれるP2Pファイル共有サイトもすべて閉鎖されました。12月8日中国共産党とインターネット関連政府機関によるコンファレンス・コールでは、取り締まりの対象をケータイ・サイトにまで広げ、低俗でエッチなコンテンツを2010年5月末までに撲滅することを宣言したのです。 そして12月9日に中国共産党中央宣伝部の御用達番組CCTVの『焦点訪談』が、ドメインの偽名登録による低俗サイトの弊害を取り上げてからは、インターネットの「根っ子」とも言えるネットワークやサーバー(データセンター)、さらには.cnドメインそのものに、取り締まりの矛先が向けられるようになりました。 データセンターは、定められたエビデンス(書類)を準備できないウェブサイト運営者にサーバーを提供した場合、即営業停止処分にさせられます。悪足掻きをすれば、China Mobile、China Telecom、China Unicomの3大通信キャリアが、データセンターとの通信回線を即時遮断します。 さらに.cnドメイン名取得の審査が厳格になり、昨年末までには、登記された企業や団体でなければ.cnドメイン名の取得が実質的には不可能になりました(個人が.cnドメイン名を新規取得することが実質困難になりました)。1月14日には、.cnドメイン名の全取得者に対し、企業や団体であれば営業許可証、個人であれば身分証明書を、1月末日までに提出するよう通告が出されました。 中国の知人の会社が、ドメイン名取得代行のお仕事をしています。1月15日にその会社を訪ねると、てんやわんやの大騒ぎでした。その会社が代行した.cn取得者は30万件で、2週間以内に取得法人や個人の証明書類を取り寄せて、.cnドメイン名を管理するCNNIC(中国インターネット情報センター)に提出しなければならない、とその前日に告げられたのです。 提出が求められているドキュメントは5種類、150万の書類を取り寄せ、内容を確認して、CNNICに再提出しなければ、そのドメインが取り消されてしまいます。しかも、ドメイン名取得者からのPDFやファックスによる提出は不可で、ペーパー・コピーを取り寄せなければなりません。 30万セット150万部の提出書類のチェック要員として、各部門から300人のスタッフを再配置し、隣のオフィスビルを1フロアまるごと臨時で借り上げて、準備に大わらわでした。 提出を求めた政府機関が、こうした費用を負担してくれるわけがありません。ドメイン取得者に負担してもらうわけにもいかず、その会社は費用のすべて負担することに決めたそうです。着払いの送料だけでも300万RMB(約4,000万円)かかるけれども、「こうした時期だからこそ、.cnドメイン取得者の権利を守りたいから。」という知人の脳裏には.cnドメイン名の稀少化をチャンスと捉えるビジネス・マインドがたっぷりあるのでしょうが。 「巨大なパワーが、遂に動き始めたという恐怖を感じる」 中国当局が行ってきた様々な政策と比較するなら、インターネットに対して中国政府は、これまで比較的寛容な態度を取ってきたと思います。 当初はインターネットの過小評価からだったかもしれませんが、今世紀に入ると情報の流通が経済成長にもたらす効果を積極的に捉えるとともに、政体に不安定となる情報が管理可能と考えたのでしょう。外国資本のインターネット関連企業への投資も魅力的ですし、インターネット業界からNASDAQやNYEに上場する企業がたくさん出ることも中国のイメージ向上につながります。この数年、規制は徐々に強化されてきましたが、勝ち馬に乗れとばかりに複数の政府機関が"通行手形"の発行とそれによる利権確保に走ったから、というのが私の見方でした。 例えば2008年、動画投稿サイトにライセンス制が導入された時も、ウェブサイト運営会社はさほど動揺しませんでした。コネを操り、放送映画総局の然るべき人物に辿りつければ、要件が満たされていないサイトであっても、ライセンスを取得する道が残っていたからです。同様に、ICPライセンスを取り仕切る工業と情報化省、オンラインゲームなどのコンテンツを取り仕切る文化省なども、末端での運用に対しては柔軟性がありました。騒乱事件をきっかけにインターネットやSNSから遮断されていた新疆ウイグル族自治区であっても、少なからぬ人たちがインターネットやSNSを享受できていたのです。 ところが昨年9月以降、特に12月に入ってからの規制の厳格化は、これまでのものとは様子が違います。インターネット利権の末端で、きっと甘い汁を吸ってきたと思われるお役人さんも、「今度ばかりはどうにもならない」とウェブサイト運営会社を冷たく引き離す始末です。 中国共産党中央宣伝部が"指導力"を発揮して、所轄の政府機関の意見を無視して、強引に推し進めているようなのです。 工業と情報化省の管轄でありながら、中国科学アカデミーの影響下にもあり、インターネットの縄張り争いでは中立的な立場を通してきた、.cnドメインを管理するCNNIC(中国インターネット情報センター)の告知ページをみると、現場の慌てぶりが良くわかります。 2009/12/10「ドメイン名登録情報の正確化のための特別措置について」 ※ドメイン名取得代行業者向けの徹底でした 2009/12/10「ドメイン名登録手続き違反業者の処分について」 ※前日のCCTVの番組で告発されたドメイン名取得代行業者の処分を発表 2009/12/10「ドメイン名登録手続き管理の強化について」 2009/12/11「ドメイン名登録手続き審査の更なる強化について」 2009/12/22「不正ドメイン名登録者の通報奨励」 2009/12/24「ドメイン名登録者にウェブサイト登録のリマインド」 ※12月15日に工業と情報化省が発表した「ケータイによる児童ポルノ撲滅運動指針」を受けて 2009/12/28「通報活動の実績報告」 ※半月で13,175件の不正ドメイン名登録者を検挙 この後も「告知」は続くのですが、中共中央宣伝部からの「まだまだ生温い!!」と言うCNNICへの"指導"の雄叫びが聞こえてきそうです。 中国当局のインターネット規制には当然批判的でありながら、「政策には必ず対策があるから」と楽観的な見方をしていた中国の知人は、「今回は、何だか巨大なパワーが動き始めたという感じで、恐怖を感じる」と話していました。その巨大なパワーとは軍部なのか、改革開放路線への反動なのか、知人にとっては容認できる範囲を越えるような何かかも知れない、と。 中小サイトが駆逐され、巨大メディアの楽園に 中国国内インターネットの取り締まり強化で、10万以上の中小ウェブサイトが閉鎖に追い込まれたと言われます。 中国当局は「著作権を侵害するサイトと児童ポルノなどを含む猥褻サイトの撲滅のため」だと言います。確かに、閉鎖に追い込まれたウェブサイトのほとんどが、そうしたサイトです。現に著作権保護の強化や低俗系コンテンツへの取り締まりは、インターネットだけではなく、ほかのメディアや出版物も対象となっています。中国政府に、知的所有権の保護強化を求め続けてきた他の国々としては、歓迎すべきことかも知れません。 もちろん、こうした規制の強化が、政権側の政治的意図と結びついている、と考える人たちが圧倒的に多いのも事実です。 中小ウェブサイトへの取締りが進む2009年12月28日、中国ネットテレビ(CNTV.cn)が正式にオープンしました。CNTV.cnは中国"国家機構"が用意したインターネット動画コンテンツのプラットフォームです。CCTVをはじめ地方テレビ局の衛星チャネルはもちろん、中国内外の人気ドラマや映画、NBAやF1を含むスポーツなど豊富なコンテンツを、パソコンからはもちろんのこと、ケータイやテレビでも視聴することができます。表には出ていませんが、CNTC.cnは中共中央宣伝部の関与が極めて強いと考えられます。 また、成長中のインターネット企業に中国当局が出資するケースも増えています。 各種ライセンスの取得困難、手続きの煩雑さ、コンテンツ管理の厳格化など、中国でインターネットのウェブサイトを運営してためには、政府機関との"良好な関係"はもちろんのこと、資金面などの企業としての体力が一層重要にになってきました。中小のウェブサイトが生き残れなくなるばかりか、一人二人で始めたベンチャーが大成功をおさめるというチャイナ・ドリームをうむ環境すら無くなりつつあります。 Yahoo! Japanがほぼ独り勝ちと言える日本とは異なり、中国のインターネット・メディアは実に多様でした。総合ポータルサイトですら、常に上位3~4社が競り合ってきました。動画共有やオンラインゲームなどエンタテインメント系になると更にたくさんのウェブサイトがしのぎを削ってきたのです。 国内向けインターネットの規制は、インターネット・メディアの寡占化を推し進める結果につながるでしょう。ショッピングモールにおける淘宝網(TAOBAO)のように、各サービス・テリトリーで巨大プレイヤーの一人勝ちする未来が待ち受けているかも知れません。 Googleの中国事業における主たる収入源は、AdwardとAdsenseでした。中小のウェブサイトが広告主にもなり、広告メディアにもなる、いわゆるロングテール・モデルです。ウェブサイトの開設や運営が規制され、巨大メディアの寡占が進めば、そのビジネス・ターゲットは激減してしまいます。 Googleがそうした未来を見立てて、中国から手を引こうとしているのだとすれば、そのビジネス・センスをどう評価したら良いのでしょうか。 もっと... |
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| 国営通信社・新華社が選んだ2009年中国を象徴する26のキーワード | ||
| 公開: | ||
| 要旨: | 1.『60周年』 中華人民共和国の建国60周年。 2.『大阅兵』 10月1日の建国記念日に北京のメインストリートで行われた軍事パレードと閲兵式。 3.『保八』 経済成長率8%の堅持。 4.『索马里护航』 商船等護衛のため、人民解放軍のソマリア沖派兵。 5.『气候变化』 気候変化。 CO2排出量に関して、中国はある時点との排出総量比較と言う考え方を持っていません。GDP単位あたりの排出率を現状より40~50%削減していく、と表明しています。 6.『低碳』 低炭素社会。 このあたりまでは、やはり国営通信社が選んだだけあって、マユツバものと言うか、おもしろみが無いですね。 7.『血铅超标』 一部地区の乳幼児の血液中から、基準値を超える鉛が検出された問題。 陝西省、河南省、湖南省、雲南省などで次々に発覚。工場周辺で発生しているので、たぶんその排気や排液が原因なのでしょう。 8.『校长推荐制』 校長推薦制度。 名門・北京大学では2010年の入学選抜に、高校の校長による推薦制度を導入することにしました。これは加熱する入試改革の一環と言われますが、人知主義中国だけにさまざまな心配も取り沙汰されています。 9.『躲猫猫』 猫隠し(かくれんぼ)。 「猫隠し」はかくれんぼと鬼ごっこをミックスしたような中国の子ども遊びです。雲南省昆明市で微罪により逮捕された青年が、拘留中に拘置所で亡くなったのですが、警察は原因を「かくれんぼ」によると発表しました。警察発表に不信を抱いたネットユーザーにより、真相究明運動が展開されました。結果、看守や警察官による暴力沙汰があったことが暴かれ、関係者が処分されました。 10.『钓鱼执法』 囮捜査。 慢性的なタクシー不足の上海では、白タクが市民の足になっています。警察はその取り締まりに囮捜査を導入。客として乗せたつもりが、目的地に着くや否や大勢の警察に取り囲まれ、タイホ!ただし、白タクの中にはお金儲けというより、帰りの足が無くなって困っている市民を見かねて善意で乗せてあげているようなケースもあって、こうした囮捜査には非難が集中。自分の指を切断して抗議する青年まで出現し、インターネットで話題になりました。 11.『欺实码』 速度偽装 / 70ヤード。(中国語では同音) 杭州市で実力者の息子が死亡事故の加害者となった際、地元警察は加害車両の走行速度を70ヤード/秒でスピード違反や酒気帯び運転では無かったと発表しました。しかし目撃証言などから警察発表の信憑性がまたしてもインターネットで追求され、警察は誤りを認め謝罪することになりました。ま、誤りと言うよりは、加害者に過失が無かったように実力者が警察に圧力をかけたか賄賂を渡した、と言うことは明白ですが。 12.『严打酒驾』 飲酒運転取り締まり強化。 悪質な場合は死刑を適用。 13.『同命同价』 人の命は同じ値段。 都市部と農村部との間にある、死亡賠償金の格差を是正していこうとする動き。 14.『户籍制度破冰』 戸籍制度雪解け。 中国の戸籍は農民と都市生活者を厳格に区別する制度でした。農民を土地に引き止めておくため、都市部に永住できないルールだったのです。ところが、最近では上海市が一定の条件を満たした農村からの移住者に上海市の戸籍を与えるようになったり、北京市でも農村部からの出稼ぎ労働者などに与えられる臨時居住証が戸籍に近い機能を果たすようになっています。これは現状の追認でもありますが、都市部に農民を受け入れるだけの余裕ができているからでしょう。 15.『文化产业』 文化産業。 中国当局が重点産業に定めました。アニメとかゲームなども含まれます。言論や表現を取り締まるお役所だった文化部(文科省)がビジネスに本気で目覚めてしまった、と言う感じの困った現象が最近良く発生しています。 16.『蜗居』 カタツムリの家(狭苦しい我が家)。 中国の人気女流作家・六六による同名の長編小説がテレビドラマ化され11月に放映され話題となっています。住宅価格が高騰する上海で、10平米ほどのアパートで新婚生活を始めた夫婦の物語。大胆で卑猥な科白が多く、北京では部分的に停波したらしいと言う情報もあります。 17.『地王』 最高値の土地。 土地成金のことではなく、その地域で平米あたりの取引額が最も高い土地のことを言うようです。 18.『六连号』 六連番。 住宅バブルの中国では、地方政府が供給する格安マンション「経済適用住宅」が大人気で、当然のことながら抽選販売になります。当選確率は1,000倍を超えることもあるとか。武漢市が供給する経済適用住宅の抽選会で奇妙な事象が起こったことを、またしてもネットユーザーが指摘。何故か6つの抽選番号が連番で当選していたのです。この住宅の申込者は5,136件で当選は124戸分、6つ連番で当選する確率の計算をするサイトまで開設されたりして(どうも何億分の1と言う説と何百分の1と言う説があるようです)盛り上がりました。要はお役人が不正していたわけで、ネットがそれを暴いたと言うお話です。 19.『楼XX』 XX物件。 不動産バブルの中国で、いわく付きの怪しげ物件を言うようです。「楼停停」は建築認可などの問題で工事がストップしてしまった物件、「楼断断」は内部構造がひび割れだらけの物件、「楼歪歪」は歪みがあったり傾いたりしている物件、「楼脆脆」が工事中に倒壊してしまった物件、「楼高高」は高さ制限のため、例えば認可は12階建てなのに兵平気で20階の部屋まで販売しているような物件。中国語だとかわいい感じの女の子の名前のような発音だったりします。 20.『大学生就业』 大学生の就職。 09年の大学卒業生は611万人もいたそうですが、7月時点の就職率は68%で、世界金融危機を影響を受けてないと発表されました。もうも数字にごまかしがあったようで、あとで出てくる「被就业」の学生がたくさんいたようです。 21.『油价』 ガソリン価格。 原油価格や世界経済の不安定と、マイカー激増に伴なう需要増のため、ガソリン価格は先高感の強い乱高下。 22.『甲流』 新型インフルエンザ。 甲はAの意味なので、元来はA型インフルエンザを意味し、新型(いわゆる豚系)は当初H1N1と呼ばれていました。ちなみに、私が勤務先の全世界の事業所で最も最初に新型インフルエンザが集団発生したのは上海の現地法人でした。6月下旬のことです....。 23.『被XX』 XXさせられる。 中国語では「被」を動詞の前につけると受動態になりますが、本来の文法破りで名詞の前「被」をつけて、「自分の意思に関わらずいつの間にかそうなった」、と言うような意味にする使い方がネットから流行しました。例えば、就職率を高めるため書類上で就職させられたことになったことを「被就业(被就職)」、自発的ではいのに寄付金を出させられてしまったことを「被自愿(被ボランティア)」などと使う。感覚的には日本で流行った「友愛される」に近く、権力側に無理やりXXされる、と言うニュアンスを含んでいるように思えます。 24.『偷菜』 野菜を盗む。 mixiが提供するアプリ(ソーシャル・ゲーム)『サンシャイン牧場』のルーツは中国にあります(たぶん)。開発を中国で行っているから、と言うのではなく、中国で大ブレイクの兆しにあった『开心农场(楽しい農場)』の焼き直し(悪く言えばバクリ)と考えられるからです。このソーシャル・ミニゲームは2008年にサービスインし、中国のSNS"開心網"などを通じて爆発的に広がりました。「野菜を盗む」のはこのゲームのアクションの一つで、ネット上では「野菜盗んだ?」があいさつ代わりになりました。 25.『网瘾训练营』 ネット依存症治療施設。 中国では1,600万人の青少年がインターネット依存症に罹っていて、内400万人は重症と言われています。こうした人達を治療するための訓練施設(塾)もビジネスになっていて盛況ですが、スパルタ式教育や隔離など行き過ぎた療法により死者が出るなど、社会問題化しています。 26.『刘翔复出』 劉翔復活。 中国人民の期待を一身に背負っておきながら、08年の北京オリンピックを途中棄権したハードル選手・劉翔が上海で開かれた国際大会で優勝し、自らの復活を宣言しました。 2009年のトレンドとしては、クルマ社会化、不動産バブル・住宅の高騰、ネットによる腐敗小役人の告発と言う感じでしょうか。 もっと... |
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| CCTVのCM枠オークション結果から、2010年の中国経済を占ってみる。 | ||
| 公開: | ||
| 要旨: | 中国中央テレビ(CCTV)の2010年のゴールデンタイムCM枠のオークションが11月18日の行われました。来年の中国経済を占うものとして、その結果を概観してみます。 CCTVは原則として中国全土をカバーしています。富裕層の多い都市部を中心にテレビ広告を行うのであれば、北京や上海などの地方テレビ局で行ったほうが効率的になります。CCTVで、特にゴールデンタイムで広告を行うことは、内陸や農村部まで含めてカバーすることになりますから、富裕層だけではなくテレビを視ることもできない、いわゆる貧困層を除く中国の大多数の消費者に向けた企業戦略の傾向を、CCTVのCM枠オークションの結果が示してると言っても過言ではないと思います。 まず、落札総額は110億RMB(1,500億円)で前年(2009年)と比べて18.5%増加しました。金融危機の真っ只中に行われた前回のオークションとの比較とはなりますが、それでも前回もその前と比べて落札総額は伸びていたのです。来年も引き続き内陸部を中心に経済成長が続く、と落札した広告主企業はみているのでしょう。 業種別の落札金額ランキングでは、酒類がトップです。これは例年見られる傾向で、その多くは「白酒」と呼ばれる中国酒の広告主です。 2位は、例年上位の常連となっている家電、乳製品、医薬品を押さえて金融が入りました。その多くは銀行ですが、証券など金融商品を扱う"基金・投資"会社や生命保険会社も大量のCM枠を落札しました。生活にゆとりができて、マネーゲームに参加する中間層が増えてくる、ということでしょうか。 いっぽう日本では常に広告主上位になっている自動車は、トップ10に入っていません(12位でわずか3%程度のシェアです)。経済の底上げが進む中国といえども、年間1,000万台も売れている自動車はまだ中間層以上向けの"ぜいたく品"ということなのでしょう。 1位:酒類 2位:金融 3位:家電 4位:乳製品 5位:食品 6位:トイレタリー 7位:飲料 8位:通信 9位:IT 10位:アパレル ちなみに、最も多額のCM枠を落札したのは「蒙牛」と言う乳製品の会社です。ことしは有害成分の検出でイメージダウンしましたので、来年は大量のCMで挽回を狙っていくのでしょうか。2位は「飛鶴」と言うやはり乳製品の会社です。こちらは牛乳やヨーグルトと言うより赤ちゃん向けの粉ミルクが主力製品です。ベイビー・マーケットは来年も続伸していくのでしょう。 トップ10の中で、いわゆる外国ブランドはP&Gとユニリーバの2社のみ。両者とも石鹸やシャンプーなどの日用品を内陸部の農村地帯にまで拡販していますから、もはや舶来の高級ブランドではなく中国に浸透しています。 1位:蒙牛(牛乳・ヨーグルト) 2位:飛鶴(粉ミルク) 3位:格力(GREE/白物家電) 4位:匯源(飲料/コカコーラによるM&Aが独禁法により頓挫) 5位:美的集団(MIDEA/白物家電) 6位:P&G 7位:波司登(ウール製品) 8位:双匯(ハム・食品) 9位:脳白金(健康食品) 10位:ユニリーバ トップ100広告主の中で、外国ブランド企業を探してみると、以下の通りです。やはり自動車関連が強気です。日本企業ではトヨタのみという結果です。都市部の中間層や富裕層を主たるターゲットとしている日本ブランドは、CCTVへのCMはあまり使わないのです。 15位:フォルクスワーゲン(一汽大衆) 71位:NIKE 76位:ペプシ 77位:シェル(売牌統一) 79位:トヨタ(カローラ・クラウン・一汽豊田) 87位:コカコーラ 93位:トヨタ(カムリ・広汽豊田) もっと... |
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| ウイグル人と漢民族の仲を取り持つのような何か | ||
| 公開: | ||
| 要旨: | 中国からはYoutubeはもちろん、facebookもTwitterもアクセスしにくい状況が続いています。 この状態は、7月の新疆ウイグル族自治区で発生した主として漢民族とウイグル人との暴力沙汰以来、断続的に続いています。 ことの発端は、広東省に出稼ぎにやってきたウイグル人のせいで失業したと思い込んだ(実際にそうだったかもしれませんが)漢民族の工員が、「西北から来た男6人が、工場で漢民族の女性2人をレイプした」というデマをインターネットの掲示板に書き込んだこと。 6月26日、この掲示板をみた漢民族が"事件"の仕返しのため、出稼ぎウイグル人が多く働いている広東省の玩具工場の寮に押し寄せて、ウイグル人を叩きのめすと言う暴動に発展してしまいました。事件は中国国内でもある程度報道され、中国側メディアによると、8人が亡くなり160人が重傷を負ったとされています。 いっぽう、広東の工場寮で大勢の漢民族の攻撃に遭ったウイグル人の映像は、翌日にはYoutubeにアップロードされるとともに、中国の一部動画投稿サイトなどにも転載されます。 こうした動画は、facebookやTwitterを通じて、広東から遠く離れた新疆ウイグル族自治区に居住するウイグル人や、世界中に散らばるウイグル人のコミュニティにシェアされていきました。 そして、同じ民族の仲間が漢民族にボコボコされた映像を目の当たりにしたウイグル人は、やはりfacebookやTwitterを使って"復讐"を呼び掛けていったのでしょう。7月5日深夜、新疆ウイグル族自治区の中心都市ウルムチで、例の暴動が勃発するのです。 新疆ウイグル族自治区の中国帰属は、古く漢や唐の時代にまで遡る問題で、共産党政権以降の事象だけを取り沙汰すべきでは無いと思っています。資源、宗教、人権侵害など様々な問題が指摘されていますが、やはり民族間の対立が諸問題の根源ではないかと思います。 私の同年代の中国人実業家・Aさんが北京で過ごした大学時代のお話です。 1980年代半ばのこと、Aさんの通う映画系の大学には音楽やダンスの学科もあり、他の大学よりも多くのウイグル族学生がいましたが、普段はほとんど交流も無く、ウイグル族の学生はウイグル族だけでつるんでいました。いっぽう満州族、朝鮮族、ミャオ族など、漢民族以外の"少数民族"の学生は、Aさんたち漢民族としばしば行動を伴にしていました。 Aさんの友人が、当時としては非常に高価なステレオ・ラジカセ(ステレオ・カセットテープ・プレイヤー)を入手したとのことで、漢民族の仲間8人が、学生寮の友人の部屋に集まりました。 そして、マイケル・ジャクソンの『スリラー』の海賊版カセットテープを大音量で再生し、踊り始めました。ディスコなどなかなか通うことのできなかった当時の中国の地方出身の学生たちが、学生寮の一室をディスコ代わりにして大騒ぎを始めたわけです。 そのうち、階下のウイグル族の学生がクレームにやってきました。「うるさくて勉強できないので、止めてくれないか。」と言う、ごく常識的な要求でした。けれども、Aさんとその漢民族の友人たちは、音楽とダンスを続けました。 すると、階下のウイグル族の学生が仲間3人を連れてクレームにやってきました。漢民族の学生は「分かった、対応する。」と言いつつも、「ウイグル族の言うことなど聞いてたまるか」という雰囲気で、引き続きダンスで盛り上がっていました。 しばらくすると、今度は階下のウイグル族の学生が10人程のウイグル族の仲間を連れて、またクレームにやってきました。「何度言ったら静かにしてくれるんだ!!」。マイケル・ジャクソンに浮かれていた漢民族学生が「仲間を連れてくるなんて卑怯じゃないか!!」と筋の通らない言いがかりをつけたので、ウイグル族学生の一人が"実力行使"に出てしまいました。漢民族学生の当時たいへん貴重だったステレオ・ラジカセを取り上げ、部屋の外に放り投げてしまったのです。 これを合図に、ウイグル族10人対漢民族8人の乱闘が始まりました。双方とも"ヒカリモノ"までは用いませんでしたが、流血の事態となり、駆けつけた大学職員が止めに入りました。 乱闘の参加者全員が空き教室に集められ、主任教官から事情説明を求められました。 ウイグル族の学生は、寮でディスコの如く大音量の音楽とダンスを楽しんでいた漢民族の学生たちを責めました。いっぽう、漢民族の学生は、高価なステレオ・ラジカセを放り投げて壊してしまったウイグル族の暴力性を責めました。 お互いの言い分は平行線のままでしたが、主任教官は"喧嘩両成敗"ということで両者に和解を求め、その証として、双方の代表者(Aさんの友人が漢民族代表、その階下の学生がウイグル族代表)を前に出し、握手を促しました。ところが、双方とも右手を伸ばそうとはしません。 そこで、主任教官は左右に分かれた二民族代表者の間に立ち、一本の瓶入りコカ・コーラを取り出しました。 「それなら、コーラでも飲んで、冷静になりなさい。」と同時に左右から右手が伸びてきてコカ・コーラの瓶を掴み取ろうとしました。その瞬間、主任教官は各民族代表者の右手を掴み取り、強引に重ね合わせて握手に持ち込みました。 かくして、漢民族とウイグル族の争いは、解決を見ることとなったのです。 「当時は、ステレオ・ラジカセと同じくらい、コカ・コーラが希少だったのかなぁ...」とAさんは感慨深そうに思い出話を語り終えました。 ひと財産を築き、いい歳をしたオヤジになった、共産党一党支配には反対で、時には"民主化運動"の片棒を担ぐこともあるAさんではありますが、「ウイグル族はセコイから嫌い」と言っています。漢民族がウイグル地区を支配することこそ"セコイ"(ずるい)と、多くのウイグル人は思っているでしょう。 政治的な問題に深入りするよりもまず、この二民族の間を取り持つ機能こそ必要なんだと思えます。 Aさんのエピソードに登場する主任教官ように、双方の言い分を一応は聞いてあげつつも、最終的には有無を言わさず仲直りさせてしまうような解決方法を模索することこそ現実的なのではないでしょうか。 その主任教官が漢民族だったかどうかは差ほど重要ではなく、むしろ彼が差し出したコカ・コーラのような何か...。いや、誤解を怖れずに申しあげるのなら、双方がシェアできるような(公平なシェアを実現できるか別にしても、共通のインタレストとなり得る)経済の営み、こそ民族間の対立を和解に導くキーエッセンスになるのではないか、と私は思ってしまいました。 もっと... |
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| 中国共産党のプロパガンダ映画にならなくて済んだ、陸川監督の『南京!南京!』 | ||
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| 要旨: | 2005年から準備を始めて、日本軍による南京攻略70周年にあたる2007年に公開されるだろうと言われていた陸川監督の映画『南京!南京!(City of Life and Death)』(中国共産党機関紙「人民日報」のニュースサイト人民網日本語版の特集ページ)は、中華人民共和国建国60周年にあたる2009年の4月にようやく中国で劇場上映が開始されました。 陸川監督が脚本に4年もの時間を費やしてしまったり、その脚本の中国当局(国家ラジオテレビ映画総局)による審査にも多くの時間を費やしてしまったり、撮影が始まってから陸川監督が盲腸炎にかかって3回も入院したりしたため、製作が大幅に遅延したためです。 「ただ死者数の論争にはあまり意味を感じない。だから映画では死者数には触れない」とインタビュー(産経ニュースの福島記者のブログより)で語っていた陸川監督だったのに、いきなり冒頭の献辞で「30万人の犠牲者」の字幕が現われたときには、嫌な予感がしました。ただ映画を観終わったときに、これは中国当局のセンサーシップ(検閲)を通すための譲歩の一つだったのだろうな、と納得することができました。 前半部分は、1937年12月の日本軍南京入城、監督敢えて自分の姓を与えたという架空の兵士とその仲間たちの抵抗戦、そして大勢の中国人捕虜の焼殺・射殺など、静と動を巧みに織り交ぜることによってリアリティと迫力が浮き立つ戦争映画という印象。後半に入るにつれて、日本軍下士官、南京安全区国際委員会委員長でドイツ人の、その中国人秘書であるとその家族、安全区の中国人女性リーダー・姜先生、陸兵士とともに抗戦し日本軍の捕虜となったものの銃殺の中で生き残った少年の精神的葛藤に焦点をあてたヒューマン・ストーリーへと変化していきます。 その中の中心人物は、日本人俳優・中泉英雄が演ずる日本軍下士官と言って良いでしょう。繰り返される殺戮や非人間的な生存の継続に違和感を深めるようになったは、日本軍に連行されていく中国人女性の願いを聞き入れて射殺してあげます。これは恐らく自身の強い意志に基づいた最初で最後の殺人だったのでしょう。そして、やはり捕虜となった少年をこっそりと逃がしてやり、自らは拳銃で命を絶ってしまいます。 日中戦争を描いた中国映画において、は「日本鬼子」とはかけ離れた異質な日本人登場人物です。多くの映画では人間としての心情を描くことを避けてきた日本軍兵士ですが、は田舎の母を想ったり、慰安所の日本人女性に恋をしたり、殺戮や生と死の意味に悩み苦しんだりするのです。血と埃とで満ちた映画の中で、が拳銃自殺するラスト・シーンでは白いたんぽぽの冠毛がモノクロ映像を引き立て美しい最期を飾っています。まるで、角川の死を美化しているかのように。 「鳥獣にも劣る日本兵の中にも、角川のような良い人間がいたものだ」 中国の映画レビューサイト・時光網にも、このような書き込みが多く寄せられていました。 の上官である伊田は中国における典型的な「日本鬼子」だったのかもしれませんが、を処刑するときの表情は、陸川監督がをすら典型的な「日本鬼子」に仕立て上げることを躊躇っていた、と考えてしまいます。 「日本鬼子」を人間的に表現してしまったこの映画には、当然の如く中国の人たちから厳しい意見が寄せられました。ただし、批判は日本人兵士の描き方より、の描き方や映画のテーマそのものに関するもののほうが多かったようです。 陸川監督はかつてのインタビューで「『シンドラーのリスト』のような映画にはしたくない」と語ったらしいのですが、中国人(特に一部の南京周辺居住者)にとってジョン・ラーベはシンドラーのような存在と言えます。彼(彼女)らが信じる史実では、糖尿病悪化にもかかわらず私財まで投げ出しギリギリまで南京安全区の難民保護活動を行い、ドイツ帰国後は日本軍の"悪事"をナチスや国際社会に訴えた中国人民の救世主(それは彼自身の日記やそれに基づく中国・フランス・ドイツ合作映画『John Rabe』(フロリアン・ガレンバーガー監督)(レコードチャイナ・関連記事)に描かれたジョン・ラーベからもたらされたものであり、当時の彼のビジネス的利権などの背景を無視した評価であるのでしょうが)。 日本人兵士の横暴にただおろおろし、難民を取り残して南京を立ち去ってしまう『南京!南京!』でのの描かれ方が、納得できなかったのでしょう。 陸川監督は「第三国のラーベはシンドラーにはなれない」と言う趣旨の発言をしています。『南京!南京!』のシンドラーはラーベではなく、むしろ日本人兵士なのかも知れません。 映画のテーマに関する陸川監督の言動は、時と場合によってころころ変わっているようです。 当局からの許可も出ず、クランクインもできていなかった、2007年初頭の産経新聞福島記者によるインタビューでは、「人知、人間性の真相」がテーマと語っています。いっぽう、2009年春の映画公開時には「この作品は屈辱ではなく中国人の栄光を語るものだ」と述べています(人民網・日本語版)。 確かに映画の前半は、たちの勇敢な抗戦や「中国は永遠に不滅」と叫ぶ捕虜たちなど、"中国人の栄光"っぽいシーンが無いわけではありません。ところが、抵抗を試みた中国人は皆死んでしまう矛盾。「栄光がどこに描かれているのだ、描かれているのは中国人の屈辱だけではないか」などと言う罵りが、中国語のBBSに書き込まれています。 前半と後半でトーンもテーマも異なっているように思える『南京!南京!』。中国の作家・王朔 (ワン・シュオ)は陸川監督に「前半を半分カットすれば世界的な名作だ」と言ったそうです。ただ私自身は月並みながら、英語のタイトルにも示されているように「生と死」がこの映画の全編を通したテーマになっているのだろうと思います。 捕虜となり辱めを受けて"屈辱的な生"を持続させていくより、に"栄光の死"を求めた、生き続けることが苦悩の連続かも知れないと悟ったが敢えて生き伸べさせようとした。そして自身は死を選んぶことになる。死ぬことと生き続けること、殺されることと生き延びること、大勢の死、ほんの小さな命、一人の少年の解放、希望、命の軽さ、或いは重さ。いまもいき続けている小豆や唐夫人のお腹の中の新しい生命....。 前半の戦闘や殺戮のシーンにリアリティを感じさせるからこそ、後半が虚構性の高い"物語"に思えてしまうのでしょうが、ラストシーンの小豆の笑顔と「今も生きている」と言う字幕は、どの国籍の観衆であっても胸を熱くするようなヒューマニティに訴えかけています。 登場人物個々の内面まで精緻に表現仕切れていない印象を持った人でも、全編モノクロで記録映画のように観通した人でも、タンポポの綿毛が美しいラストシーンによって、人類に不変のヒューマニティを描いたフィクション映画であることを認識するのではないでしょうか。 少なくとも、『南京!南京!』は冒頭の献辞を除いて中国共産党のプロパガンダ映画にならずに済んでますし、少なくとも"反日映画"では無く"反戦映画"に属する作品です。前作の『ココリシ』(拙ブログ参照)の直線的な力強さと比較すると、陸川監督が欲張りすぎたのか、いろんなものを詰め込みすぎた印象はぬぐいきれませんが、決して失敗作に属するものではありません。 日本では配給元が見つからず公開の予定が無いと聞きますが、偏狭な政治的配慮など気にせず、ぜひメジャー公開して欲しいものです。こうした映画が中国で創られ、公開されている、ということによって、現代の中国社会への誤解がほんの少しだけ解けるかも知れません。 もっと... |
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| 【書評】田原(Tian Yuan) 『水の彼方 ~Double Mono~ 』 | ||
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| 要旨: | 田原(Tian Yuan)の『水の彼方 ~Double Mono~』は、私にとってはある意味で難解な作品でした。 1985年生まれとは言え、16歳でHopscotch(跳房子)と言うバンドでデビューし、2年後には香港映画でメインキャストを演じ、著名な映画賞をも受賞した田原(Tian Yuan)を、「八〇后(中国の80年代生まれの若者)」の典型として語ることは無理があると思いますし、典型的な「八〇后」が田原(Tian Yuan)を支持しているか、というのも疑問です。 といえば。 『水の彼方 ~Double Mono~ 』の冒頭で語られる高校二年生の放課後の喧騒こそ、典型的なその時代の「八〇后」でしょう。 映画『タイタニック』のディカプリオとウィンスレットの真似をして、船先に立ち手を広げセリーヌ・ディオンの『マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン』を歌うのも、私がイメージする典型的な「八〇后」です。「ニルヴァーナ」や岩井俊二の映画『スワロウテイル』ですら、私の理解している「八〇后」のイメージからみると少し尖っています。 私に言わせれば、田原(Tian Yuan)は八〇后のサブカルチャーそのものです。 冒頭の引用されている清代の怪奇小説『聊斎志異』の中の短編『水莽草』は田原(Tian Yuan)自身が「日本語版あとがき」で述べているとおり、同世代人にとってポピュラーなものではありません。 ビートジェネレーションのユダヤ系アメリカ人作家・アレン・ギンズバーグの作品『リアリティ・サンドウィッチズ』にしても「八〇后」のバイブルとは言えないでしょう。出典を理解してからでは無いと読み進められないかも知れません。 作品を更に難解にしている要因は、青春(心境)小説と幻想小説とのボーダレスな交錯と、突然の白昼夢、それに伴う時制や人称の転換にあると思います。もちろんこうした手法により、主人公・陳言の内面をよりデリケートでリッチに表現することができたのだと思います。 泉京鹿さんが翻訳に取り組み始めて、2年近い歳月を経て、ようやく日本語版として完成させた苦労が分かる気持ちがします。 原題『双生水莽』の一部となっている。 主人公・陳言が日記に挟んでいる一本の根から二本の葉が伸びている水草がです。武漢市内を貫く長江(揚子江)の河岸の湿地で摘んだものなのです。 田原自身は日本語あとがきで、前述の怪奇小説『聊斎志異』の短編『水莽草』の物語を田原自身の青春時代と結び付けています。小説の中でも、主人公・陳言がの合う仲間にお気に入りの物語として『水莽草』を語って聞かせたています。水莽草を食べて水莽鬼(亡霊)になり、好いてくれたオトコを身代わりにしてでも現実世界に帰るべきか葛藤しているのが陳言なのか、『水の彼方』を書いている田原自身なのか、こうした二重性が『水の彼方』の中で、作者・田原と主人公・陳言との関係をより複雑なものにしています。 幸いにも田原本人にこの件について尋ねる機会がありましたが、「この作品は私自身のイメージから飛び出した言葉の物語」だとお答えいただきました。短編『水莽草』の美少女水莽鬼(亡霊)三娘のように、小悪魔的で小悪女的だったのは、 『水の彼方 ~Double Mono~ 』を書いた時の田原自身だったのでしょう。 をはじめ、などのファンタジックな比喩的象徴が、『水の彼方』の文学性を強くするとともに、難解にもさせています。 こうしたメタファーは、作品に詩的な生臭さ(泉さんは訳者あとがきでと述べています)を醸し出させ、作者のセクシャリティ(女性性)をいっそう強く引き出しています。 いっぽうで、主人公・陳言の従兄弟との初恋のエピソードは、まるで綿矢りさの『蹴りたい背中』のように甘酸っぱい思春期小説風でもあり、舞台が北京に移ってから結末までの展開はスピーディかつ残酷で、ゴダールの『気狂いピエロ』を彷彿させてくれたりと、作者・田原或いは主人公・陳言の複数のパーソナリティが一つの小説に封じ込められている感じがします。 『水の彼方』は、田原自身のにシンクロしたによって自動記述された、幻想的青春小説と言えるでしょう。 1950年代アメリカの若者がサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』(『水の彼方』では主人公・陳言自身中学2年生のときに読んでいる)を愛読し、大人の世界を自分自身の価値観で拒み通そうとする主人公の少年に共感したように、また村上龍の『限りなく透明に近いブルー』が1970年代の日本のサブカルチャーから若者の普遍的な虚脱感(村上は中国語版の解説でを書き記したように、『水の彼方 ~Double Mono~』は生活も風景も価値観も目まぐるしく変わる現代の中国を舞台に大人になる一歩手前の少女のモラトリアム体験を幻想的に描いたものだ、と私は勝手に解釈しています。 第二次大戦後栄華を尽くした1950年代のアメリカ、GMのシボレー、ライ麦畑。高度経済成長期の日本、学生運動、オイルショック、限りなく透明に近いブルー。 そして、21世紀初頭の中国。WTO加盟、富裕層の拡大、GMもTOYOTAも中国頼り。そうした中、次代を先んじて捉えているように行動しているように見えても、実は置いてけぼりにされている、若者のこころの内側。 『水の彼方 ~Double Mono~』は、若者のこころの中に突如現われる空隙を満たす液体の如く、世界中の若者に読み継がれていくことでしょう。新世紀エヴァンゲリオンのLC.Lみたいに、血生臭くけれと心地良く。 田原が音楽活動を本格的に再開するとのことで、たいへん楽しみにしています。 『水の彼方 ~Double Mono~』の主人公・陳言と同様、ニルヴァーナが大好きだったという田原ですが、最近はまさに八〇后世代に人気のミュージシャン羽泉や李宇春を手掛ける音楽プロデューサー張亜東と組んで音作りをしているようです。張亜東作曲による『50 Seconds From Now』は、ヴェルベット・アンダーグラウンドのニコを彷彿させるアンニュイなヴォーカルで、冒頭に述べた八〇后サブカルチャー路線を証明してくれた感じです。 田原は、私が大好きなテレビヴィジョンも大好きだそうで、『50 Seconds From Now』の歌詞やヴォーカルは詩人ギタリスト・トム・ヴァーレインの影響も伺われます。 この秋にはアルバムが完成するとのことで、こちらのほうも大きな話題になって欲しいと願っています。 ■関連リンク■ 田原ブログ(新浪博客) 八〇后(中国新人類・八〇后(バーリンホゥ)が日本経済の救世主になる! (洋泉社Biz)=次代高消費層として捉えている点では普遍的な八〇后を確認できると思います 水莽草(青空文庫・田中貢太郎訳) アレン・ギンズバーグ(ウィキペディア) スワロウテイル [DVD](goo映画) 気狂いピエロ [DVD]ウィキペディア 限りなく透明に近いブルー(ウィキペディア) 新世紀エヴァンゲリオンのLC.L(ウィキペディア) 張亜東(C-POP) 『50 Seconds From Now』音楽ファイル直接リンク) ニコ(ウィキペディア) テレビヴィジョン(ウィキペディア) トム・ヴァーレイン(ウィキペディア) もっと... |
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| 『北京陳情村』~馮小剛~葛優~余華~『兄弟』 | ||
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| 要旨: | 08年小学館ドキュメンタリー大賞優秀賞を受賞した田中奈美さんの『北京陳情村』は、著者が北京市南部にあるいわゆる「陳情村」を足掛け3年にわたって足繁く通い、地方行政の"腐敗"を中央政府に訴えるため住み着いているクレイマーたちの生き様を描いた秀作です。 "中国の光と影"の「影」の部分として陳情村(或いは直訴村)を取り上げるメディアやジャーナリストは数多くありました。その大半は、共産党独裁政権による行政の腐敗や経済格差の拡大の縮図としてステレオタイプに伝えています。中国当局による人権弾圧の象徴として、民主化を圧し付けるためのエビデンスとして、陳情村(或いは直訴村)が、海外の人たちに認識されるようになりました。 しかし、敢えて不謹慎な言い方をすれば、『北京陳情村』に登場するクレイマーたちは、貧困の底で震え独裁政権の弾圧に怯える弱者でもなければ、行政の腐敗を暴き民主化を叫ぶヒーローやヒロインでもありません。私が中国で接してきた中国のフツーの人たちと差ほどかけ離れている存在とも思えません。他人の足をひっぱったり、自己主張が強かったり、話が突然飛躍したり、そういう人たちが日本と比べると圧倒的に多いと、私自身感じています。 『北京陳情村』でも触れていますが、陳情をビジネスとして捉えている人たちもいるのでしょう。中央からの評価が悪くならないように地方政府がお金で解決している例もあり、身近なクレイマー仲間がそこそこの解決金を手に入れた、というような噂を聞きつけ、達成可能な目的のため陳情活動をしているケースもあるのでしょう。そのためには、当局の手下にボゴボゴになるまで殴られるリスクも覚悟の上で。 もちろん、そうではないケースもありますが、田中さんの『北京陳情村』は、既製メディアやジャーナリストが築き上げてきた陳情(直訴)=共産党支配の暗部という幻想を見事にぶち破ってくれた作品だと思います。 『北京陳情村』の中のクレイマーたちの会話は、馮小剛の映画を髣髴させます。映画化するなら馮小剛に監督をお願いしてほしいものです(中国では上映許可は下りないでしょうけど)。 馮小剛監督の最新作『非誠勿擾(If you are the one)』(邦題は『誠実なおつきあいのできる方のみ』だそうです)は、中国ではハリウッド映画『赤壁』を凌ぎ、お正月映画のトップタイトルになりました。『天下無賊』『手機(Cell Phone)』など、彼の最近の作品は、中国の中国らしさ、或いは中国人の中国人らしさを、小気味良い会話で描いています。『北京陳情村』の登場人物で腐敗役人批判の替え歌集をCD化してビジネスにしようとした、プロデューサー・リー氏とシンガー・リュウさんのやり取りなんかは、馮小剛の社会派コメディーそのものという感じです。 『非誠勿擾(If you are the one)』は、いわゆる"婚活"の物語。40歳を過ぎた海外留学帰りの中年オヤジ・秦奮が、そろそろ生涯の伴侶を見つけようと、何人かの女性といわゆる"お見合い"をしていくお話です。前半の主人公・秦奮と投資家やお見合い相手の女性との会話がビミョーに噛み合わず、笑いを誘うのですが、私が知る中国人の多くはこんな感じです。 『非誠勿擾(If you are the one)』の主人公・秦奮を演じるのは、私が大好きな俳優・葛優。彼が演ずる中国人は、私がイメージする典型的な中国人と合致しています。お金持ちを演じようが、スリを演じようが、表層的で軽妙な言葉の連続とは裏腹の信念のようなものを感じさせ、それは私がこれまでに中国で出会った、例えばオフィスビルのトイレ掃除のオジサンだったり、タクシー運転手の兄ちゃんだったり、ネット企業のCEOだったり、タバコ屋のオヤジなどと何となく重なり合ってしまいます。 いまでは馮小剛映画に欠かせない俳優となった葛優ですが、私が最初に彼が演ずるのを観たのは張藝謀監督の『活きる(活著)』ででした。『活きる(活著)』は地主の放蕩息子・福貴(葛優演じる)が、40年代の内戦、50年代の大躍進、60年代の文化大革命という混乱の時代を活き抜くという長編の物語。中国当代きっての作家・余華の同名の小説が原作です。 その余華の最近の作品『兄弟 上 《文革篇》』『兄弟 下 《開放経済篇》』は泉京鹿さんの翻訳によって、日本語で楽しむことができます。 『兄弟』は、李光頭と宋鋼という血のつながりの無い、けれども少年期を過ごした文革時代の極限体験によって固い絆で結ばれた兄弟の生涯を描いた長編で、『活きる(活著)』の主人公・福貴と『兄弟』の主人公たちは1ジェネレーションくらい離れているので、70年代以降の改革開放による中国の社会変化を読みほどくことができます。 上巻『兄弟 上 《文革篇》』では、人を人として扱いもしないほどの惨い暴力シーンが幾度も繰り返されます。『北京陳情村』に登場するクレイマーたちも、時には地方政府が遣わした"陳情狩り"に遭い、拘束され、車椅子生活を余儀なくされるくらいの暴力を受けているわけです。文革時代より数の上では大幅に減っているとは思いますが、強者による暴力行為が未だ日常的に繰り返されているのも事実でしょう。 下巻『兄弟 下 《開放経済篇》』で李光頭は廃品回収業から身を興し、地方経済の担い手となるほどの大金持ちになるばかりか、少年時代から憧れを抱き続けていたマドンナ・林紅までを手に入れることになります。その林紅が、改革開放に浮かれること無く実直に生きてきた宋鋼の妻であったにも関わらず....。 自分のことしか考えない中国人のプロトタイプとも言える李光頭ではありましたが、それでも深層に苦を共にした兄弟・宋鋼への想いがあり、その噛み合わなさこそ、日本人がなかなか理解しにくい中国的なモノの一つなのだと納得しています。 翻訳の泉京華さんは、スラング満載で"噛み合わない"会話だらけの原作の魅力を、少しも損なうこと無くテンポ良い現代の日本語で楽しませることに成功しています。二巻で800ページを越える大作も、あっという間に楽しむことができるはずです。 中国関連の仕事をしている私にとって、李光頭のような人物は小説の中の創りモノではなく、何度も出くわしてしまうようなリアルな人物の典型例と言えます。李光頭は儲けた資産で宇宙に旅立つのですが、ビジネスで邪魔されて一文無しになっていたなら、北京の陳情村をうろつくような人物なのだと思います。 そして、それは『活きる(活著)』の主人公・福貴や『非誠勿擾(If you are the one)』に登場する何人かの人物(例えば冒頭に登場する投資家)にも重なり合います。 『兄弟』が映画化されるのなら、監督はやはり馮小剛で、葛優には李光頭を演じてもらいたいものです。 内輪話で恐縮ですが、私がボールド(スキンヘッド)にした最大の理由は、名優・葛優はボールドがお似合いだし、スキンヘッドの李光頭(光頭は禿げ頭のこと)も、いま仕事で頼りにせざるを得ない中国企業のスキンヘッドのCEOも、話が飛躍してかみ合わなく、自己主張や強くきっと自分本位なのだけども、心の深層のどこかに愛すべき何かを持っているから。 もっと... |
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| 中国インターネットの"表向き"の公序良俗 | ||
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| 要旨: | かの国にも、インターネット違法及び不良情報告発センター(中国互聯網違法和不良信息挙報中心)なるものがあります。 ネット上の有害情報やウソの情報をユーザーから告発してもらって、改善・指導していく組織ですけど、強制力を持って、イケ無いサイトをクローズさせることもできます。 このセンターのウェブサイトには、強制的にクローズさせられたウェブサイトのリストが掲載されていますが、そのほとんどは詐欺とかエロとかによるものです。国家や共産党の悪口を伝えたなどと言う言うお咎めによって、クローズさせられたサイトは、"表向き"ありません。 それでは、どんなサイトを"表向き"に中国当局が公序良俗に反すると判断するのでしょうか? こんな風に、中国各地から偉い人が集まって会議を開き、公序良俗に反する「低俗」ウェブサイトを選び出すのです!! 09年の年初に、輝かしく"表向きに"「低俗」だと判定されたサイト(サイト内コンテンツ)は、以下33です。 1.Google China イメージ検索の結果表示にリンクされている低俗画像 2.百度貼Ba(BBS)、空間(ユーザーページ)、及び検索結果にリンクされている低俗画像 3.SINA"相柵(Photo)"コーナー及びブログの大量の低俗画像 4.SOHU"相柵(Photo)"コーナー、ブログ、及び画像BBSの大量の低俗画像 5.TENCENT(QQ)"相柵(Photo)"及び個人空間(My Space)の大量の低俗画像 6.NetEase"相柵(Photo)"の大量の低俗画像 7.Chinaren(SOHU傘下のポータルサイト「中国人」)画像投稿コーナーの大量の低俗画像 8.中捜BBSの大量の低俗画像 9.MOP"漂亮MM(カワイイいもうと)"コーナーの大量の低俗画像 10.天線(OpenV)に投稿された大量の低俗ムービー 11.第1視頻(VOD One)スポーツコーナーの大量低俗ムービー 12.天涯社区(SNS)Photo内の大量の低俗画像 13.UUU9(オンラインゲーム情報サイト)"美眉(キレイなお姉さん)"コーナーの大量の低俗写真 14.Yesky(IT情報サイト)"美女"、"アイドル写真"、"ユーザーセルフフォト"、及び"美女風情"コーナーの大量の低俗写真 15.合肥オンライン(安徽省のローカル・ポータルサイト)"美女画像貼付け"コーナーの大量の低俗画像 16.鉄血ネット(軍事情報・ミリタリー・サイト)"美眉(キレイなお姉さん)"コーナーの大量の低俗写真 17.T131.com(オンラインゲーム情報サイト)"美眉(キレイなお姉さん)"コーナーの大量の低俗写真 18.Sogua(音楽情報サイト)写真、クレイジー投稿写真、アイドルデータベース、及び"漂亮MM(カワイイいもうと)"コーナーの大量の低俗画像 19.快車網(オンラインゲーム情報サイト)の大量の低俗画像 20.MSN中国映画及び"フォトセレクション"コーナーの大量の低俗画像 21.TOM.COM娯楽、スポーツ、及び自動車コーナーの大量の卑猥で低俗な画像 22.空中網(Kon.net)娯楽及び写真コーナーの大量の低俗画像 23.西部網(陝西省のローカル・ポータルサイト)スポーツ写真コーナーの大量の低俗画像 24.My Space(聚友網)画像BBSの大量の低俗画像 25.易車会(自動車情報サイト)写真及び自動車フォトコーナーの大量の低俗画像 26.Gamer Sky(オンラインゲーム情報サイト)"ゲーム・シスター"コーナーの大量の低俗画像 27.52PK(オンラインゲーム情報サイト)"美女写真"コーナーの大量の低俗画像 28.POCO(画像コミュニティサイト)の大量の低俗画像 29.1713(SOHU傘下のオンラインゲーム情報サイト)"美眉(キレイなお姉さん)"コーナーの大量の低俗写真 30.hezon(動画投稿サイト)"美女"コーナーの大量の低俗ムービー 31.小虎在線(携帯SNS)ムービー検索の大量の低俗ムービー 32.泡泡門戸(携帯サイト)娯楽コーナーの大量の低俗画像 33.動感網(携帯サイト)"ビューティフォト"コーナーの大量の低俗画像 Google、MSN、My Spaceといった国際的なサイト、中国4大ポータルといわれる、QQ、SINA、SOHU、NetNease、そして百度(BAIDU)。中国の名立たるサイトはみんな低俗だと判定されてしまったわけです。動画投稿サイトやオンラインゲーム情報サイトなどに、萌え系の画像が掲載されていそうなのは理解できますが、自動車やIT情報サイトにまで"低俗"画像が蔓延していたのですね....。 こうして指摘されたサイトは、速やかに低俗なコンテンツを削除しなければなりません。ですから、これらのサイトを覗いてみても、お宝画像や映像を確認することはできないでしょう。 例えば、このように「ユーザーの皆さま、現在「易車会」の写真コーナーはメンテナンスを行っております。もし自動車の写真をご覧になりたい方は以下のリンクをお訪ねください」みたいなメッセージが出て来てしまいます。 それにしても、自動車情報サイトの写真コーナーは、自動車の写真ではなくて低俗で卑猥な写真で満ちていたのでしょうね。 唯一、26.のGamer Skyだけキャシュで対象画像をゲットできました。 こんなものです。 一部の方が期待しそうな、低俗で卑猥な画像やムービー(例えば、日本の裏AVなど)は、ほぼ野放しのままになっていて(対応が追いつかないのでしょうけど)、中国のネットユーザーは気軽にアクセスできるのです。 もちろん、「08憲章(零八宪章)」(参考:msn産経ニュース)みたいなものは、"表向き"公序良俗を乱すものでないでしょうから、ネット上でも"表向き"は取締りの対象にもならないのです....。 百度(BAIDU)で検索してみても、"表向き"すっかり姿を消してしまいました....。 (「08憲章」の検索結果。トップは「国連憲章」。「08憲章」に関するサイトは表示されず....。) もっと... |
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| 「今、再び、被災地へ..」モスケさんの『成都通信』より | ||
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| 要旨: | 5月12日に四川省で大きな地震が発生して、5ヶ月近くになります。世界の目は一瞬四川へと注がれました。 けれどもその後、北京でオリンピックが開かれ、チベットや四川のことも引き続き注目していかなければならない、と気勢を張っていた"良心的な"メディアですら、オリンピックと言うお祭り報道の中で突出することはできなかったようです。 それから、日本の総理大臣の交代や、中国人初の宇宙遊泳のことや、75兆円にものぼる公的資金の投入をアメリカ議会が否決ことや、ニュースは次から次へと消費されていくわけです。福田康夫という、日本の一代前の首相のことが忘れ去られるように、四川での大災害も忘れられてしまう。でも特に、こうした災害には"つづき"があって、その"つづき"こそ、私たちが注視しなければならないものなのかもしれません。 モスケさんの『成都通信』は、所詮消費されてしまうだけのニュースや情報の脆さを補う一つの手段として、ご本人にはそのような意図が無かったかもしれないにせよ、私はインパクトを受けました。マグニチュードがいくつだった、死亡者は何万人だった...。でも、四川の大地震も含め、大災害の多くはその被害者にとって現在進行中の事象なのです。「あなたとは違います!!」いや、福田さんとは違うのです。 モスケさんのご了解をいただき、全文を転載させていただきます。 「今、再び、被災地へ..」 わが社は、創立10周年記念を この秋に迎えます。 これを機会に、社会貢献活動を被災地向けにやろう、 ということまでは GOサインが出たのですが 「じゃ、何しよう?」という段階で足踏み.. じゃ、再び、被災地へ行って、その「肉声」を聞いて来よう ということで、先日、再び被災地へ行ってきました。 今日は、そんなお話です。 まず、従業員の親で被災しているお宅へ.. 当日は、あいにくの雨... で、その被災した家は、かろうじて雨をしのいでいるだけでした。 それもそのはず、被災後やった工事は 屋根の修復工事だけだったんです。 もうこの家を修復しても、そこに住むことはないからです。 (もうちょっと正確に言うと) この家には危ないので住んではいけないのです。 これは、政府のお達しです。 彼らは、今、仮設住宅に住んでいているのだけれど 昼は、畑が近いことと、やはり.. 「ずっ~と、仮設住宅にいると、息が詰まってしまう」 という理由で、この倒壊しかかった旧家に来て 農作業の復興の準備をしているのです。 当日は、あいにくの雨でした。 で、私が思ったことは.. これは、確かに大事な「機能」です。 家のもともとの「機能」は、雨風をしのぎ、 そこで居し、寝れるということなんですね。 でも、人間にとって、「家」の存在というのは、 とても重要なことなんだ、と改めて感じました。 人間が生きる基本が、きっと「家」と「生業」なんでしょうね。 (実は)この2つさえあれば、何とかやっていけます。 人間の幸せの根源を見る思いです。 農家をやっているお父さんの手は、爪の先まで真っ黒でした。 そんなところにも、彼の人生が凝縮されています。 でも、しっかりと握手してお礼をしましたよ。 お米と油をお土産に... で、彼らの口から出たことばは、とても切実でした。 「この家を建てるのに、8年前、3万元をかけました。 もう、それを出す余力は、まったくないです。 今、この地震で、お金はスッカラカンです。 田畑は、土砂で埋まってしまいました。 そのこの地で、また、農業が再開できるのか、決まっていません。」 「どこまで、政府がやってくれるのか この家では、住めないことは、通達を受けているのですが.. これから、いつ、新しい家を建ててもらえるのか その順番がいつ回ってくるのか まったく、見通しがついていません。」 「今でも、時々地震の夢を見ます。 いつまた、同じような地震が来るのかも って思うと、怖くて、つい起き出してしまいます」 悲しい現実が、そこにド~ンと腰を下ろしています。 かけてあげる言葉を、こころの中で探していましたが 適当な言葉を見つけることができません。 「娘が、まだ、結婚もしてもいないだが 福建省に住んでいて、四川省に戻したいのだが 職業を斡旋してもらえないだろうか?」 家族と一緒に住みたい、でも働き口がない。 そんな現実が、垣間見えます。 このような大きな被災の後、傷心の時に 気心の知れた家族と一緒に住んで生きたい これも至極、当たり前の感情(幸せの根源) なんだと思いますよ。 そんなちょっと重い空気をひきづりながら、次ぎの慰問先へ.. ここは仮設住宅の中でのインタビュ~.. その婦人の旦那さんは、この地震で亡くなったそうです。 そのお宅には、訪問した時に 横になっていたご老人の方がいました。 先日、手術をしたばかりらしいです。 で、一通りのお話を聴いた後 ちょっとでも多くの方のお話を聴きたくて 近所の人たちにも、今度は別の家に集まってもらいました。 そうしたら、あることに気付きました。 老人と奥さんだけなんですね。 子どもさんたちは、そりゃ、学校へ行っている時間帯です。 で、旦那連中は、生計を立てるために そばに働き口を見つけにくいので、「出稼ぎ」をしに行っています。 言わば「3ちゃん仮設生活」なんです。 そんな中、奥さん連中が、孤軍奮闘! 毎月180元(2500円ほど)で食費を済ませているわけです。 因みに、この180元というのは (ちょっと不謹慎ですが)カラオケ屋さんの席料と同じなんです。 そんな額で、ひと月をやり繰りしているんです。 で、赤ちゃんのいる家族は、比較的住環境のよい 仮設に集められているということです。 それなりの配慮が施されているようです。 で、いろんな話を聞いてメモを取ってきたのですが その取っていたメモの手が突然止まった瞬間がありました。 それは、その未亡人の奥さんに 高1の娘さんのことを、話してもらった時のことです。 「娘がこんなことを言うんですよ~ この地震で私は、成長したって.. 本当に、こころの底から勉強したいと思った。 本当に、こころの底から、節約しなくちゃ、って思った。 本当に、こころの底から、(お父さんがいなくなって) お母さんのことが心配になった..」 取っていた私のメモが、いつの間にか、涙で滲んでしまいました。 この話を聴いた時、(実は、こころの中で) 先日、北京で行われたパラリンピックのある記事を思い出しました。 「この障害のおかげで、私は強くなりました。 今、ある障害は、それは本当は欲しくはなかったけれど そして、その障害を受け入れるのに時間もかかったけれど.. そのおかげで、私は、以前より強くたくましくなった。 そして、こうしてパラリンピックにも出れて 自分は飛躍的に成長できた。 だから、私は、この障害に感謝しています。 ありがとう、って思っています」 実は、私は、この記事を目にした時も 目頭に熱いものを感じていました。 話の根っこは、どれもこれも、みんな同じなんです。 で、翻って、私たち自分自身のことを考えてしまいます。 もっと、もっと、幸せに近い距離にいながら もっと、もっと、普通に頑張れる位置にいながら 全然、がんばっていない自分を見つけるのです。 毎日の日々の普通の生活の中にこそ、幸せがあるのに それを幸せと思わず、当たり前だと思って 「ありがとう」のひとつも言っていない自分が そこにあるのです。 彼ら、被災地の子どもたちは、今 地震の前よりも、ずっと一生懸命に勉強しているそうです。 くだんの少女は、将来、やりたいことがあるのだそうです。 四川省の復興のために貢献したいそうです。 それが、少女にとって 死んでいったお父さんに対する「弔い」であり お母さんに対する「恩返し」であり 自分に対する「生き抜く支え」なんです。 で、義務教育を終えた高校以上の学費については 政府の援助も薄いのだそうです。 そんな彼らを応援してあげることこそ 本当の意味での社会貢献活動なんじゃないか って、今、思っています。 この貢献は、今、すぐ、目に見えた効果を 出すものではないのかもしれません。 けれど、そういう次世代にバトンをつなぐような貢献が あってもいい、と思っています。 そして、いつか、地震の前より 素晴らしい街をまた、そこに再現させて もらいたいって思うのです。 そんな行為は、太平洋の中にポトンと落とす 一滴の「汗」のような そんな貢献かもしれません。 でも、それを誰かが、そう誰かが始めなくては 何も始まりません、何も起こりません.. それは、モスケが生きている間では 完結できないかもしれません。 でも、それでも「お天道さん」が しっかりと、見守ってくれているはずです。 そう信じたいです。 その未亡人の方が、時折見せる明るい笑顔に 私のこころは、(ちょっとだけ)救われました。 最後に帰ろうとしたら、「一緒に、写真を撮りませんか」 って、誘われました。 「こうやって、来てくれてありがとうね~ 実は、これが、一番の我々の慰みなんですよ。 関心も持たれなくなってしまった、と思うと それはそれは、ちょっと寂しくなるものなんです。 私達だけ、置いてきぼりされたような感覚になるんです」 そんなことばを、最後にいただきました。 お安い御用ですよ、クルマで往復4時間揺られただけのことですから.. こうやって、今、一緒に、この大地に生きている「ご縁」 そして、そんな「ご縁」に生かし、生かされ.. これらも、一緒に、繋がっていきましょう。 だって、「今」、生きているのは、我々なんだから.. かの有名な岡崎嘉平太さんのそんなコトバが 30数年の時空を越えて頭を過ぎりました。 果たして、この織物、どんな風に織られるのでしょうか? (しっかり織らないと「お天道さん」に叱られそうです) 帰りのクルマの中で、9.11テロで作ったという あの名曲「ハナミズキ♪」(徳永バ~ジョン)を聴きました。 「君と好きな人が百年続きますように~♪」 そうそう、君のお父さんは、きっと天国で、君の勉強を 心強く思っているよ、暖かく見守っているよ。 だから、だから、しっかり、そう、その調子、今の調子で 勉強していってネ。 私もそんなあなたを そんな真に学びたいと思っている人を これからも(こころから)応援していきます。 って、そんな希望の気持ちも込めて.. そんなことを、こころの中でお話しながら また、一人、一筋の涙を、ポトリと垂らすモスケでした。 (「涙」は、こころの「汗」なんだぃ~) いろんな「思い」を胸に抱いて いろんな「出会い」を脳裏に焼き付け いろんな「ご縁」に生かし、生かされ.. 自分もまた、行動し、成長していきたいと思います。 PS) でも、なんで、ハナミズキの歌詞は.. 「空を押し上げて手を伸ばす君、5月のこと..♪」 って、5.12四川大地震を予言していたような歌詞 なんでしょうか? 運命を感じます。 よかったら、また、「ハナミズキ♪」(徳永バ~ジョン)を 聞きながら、(後段だけでも)読んでみてください。 実は、私は、そうしながら、ず~っとこれを書いていました.. そんなことで、もっと、皆さんとのこころの距離が 縮まれるような気がしますもんで.. では、また.. 2008.9.30 モスケ@成都 モスケさんは、かれこれ10年ほど前、私が北京で働いていた頃、知り合いました。その後、音信が途絶えていましたが、ふとしたキッカケから、成都でお仕事をしていることを知るとともに『モスケの(勝手に)成都通信』という不定期に発行されるメール通信の読者にもなったのでした。 もっと... |
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| [北京オリンピック観戦] 鳥の巣は"便衣兵"の巣窟!? | ||
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| 要旨: | 生まれて初めて、世界新記録更新の瞬間を目の当たりにすることができました。 8月20日、北京の中国国家競技場(通称:鳥の巣)でオリンピックの陸上競技を観戦したのです。ご存知の通り、この日に行われた男子200メートルでジャマイカのウサイン・ボルト選手が19秒30で世界記録を更新しました。とあるオリンピック・スポンサーからいただいたチケットは、トラックゴールに近い1階スタンドの17列目で、ゴールを切りそのままトラックに倒れこんみ、起き上がってガッツポーズをとるボルトを目の前でみることができました。 さて、オリンピック観戦記は他のブログに譲ることにして、この日"鳥の巣"に出かけて気付いたことをいくつか挙げてみることにします。 [北京の交通] ナンバープレートの奇数・偶数による流入規制の効果もあり、主要道路のクルマの流れはスムースです。外側の一車線はオリンピック・レーンに指定され、関係車両以外の通行が見つかると2,000RMB(約3万円)の罰金と下手すると拘束が待っているので、さすがに空いています。バス専用レーンの取り締まりも強化されていますから、一般車両が通行できるのは、片側4車線の道路であっても、2車線ほど。ですから、一部では渋滞します。けれども、交通規制前の渋滞ほど酷くない、と言うことです。 北京市民の中では、奇数日は奇数ナンバー、偶数日は偶数ナンバーのみ通行可能と言う、この交通規制をパラリンピック終了後も継続して欲しい、と言う意見が増えているそうです。自動車を運転しない市民はもちろんのこと、いままでクルマで通勤していて、この交通規制にぶつぶつ言っていた北京のスタッフまでが、そんなことを言っていました。 自動車による渋滞が緩和された分、公共交通機関は大変な混雑です。地下鉄は路線にも拠りますが始発から終電まですし詰め状態。バスもかなりの混雑です。 また、オリンピック会場へのアクセスに公共交通機関を勧めているわりに、インフォメーションが不足している感じがしました。 主要会場へはオリンピック専用バスが運行されていますが、運行系統が複雑で、地下鉄駅など乗り換え地点がどこなのか分かりにくい感じを受けました。また鳥の巣最寄の地下鉄駅もバス乗り場も、競技終了後はたいへん混み合うため、通常の路線バスのバス停に向かう観戦者も多いのですが、バス停の路線表示は英語になっていないので、海外からの観戦者には不親切な感じです。 [ダフ屋さん] 鳥の巣に向かう路上には、いたるところにダフ屋さんがいました。 不思議なことに、鳥の巣周辺の路上には、制服警察官や武装警察などのイカツい人たちがほとんど姿を現していないのです。 私は04年にサッカー・アジアカップの決勝戦(日本対中国)を北京の工人体育場で観戦しましたが、このときは周辺道路に既に多くの警察官や武装警察が、完全武装で配置されていました。北京オリンピックでもメディアでしつこいほど会場警備のイカツさを報道しているので、凄いことになっているんだろう、と思って出かけましたが、鳥の巣の周辺道路には装甲車が配備されていることも無ければ、制服の武装警察が盾を持って並んでいることも見かけませんでした。 そんなわけか、ダフ屋さんも鳥の巣のゲート前で堂々と商売をしておりました。 私は競技開始の19時を30分ほど過ぎてから到着したのですが、定価800RMBのチケットを500RMBで売っていました。この日は劉翔が出るはずだった男子110メートル・ハードルの準決勝があったので、チケットがダブついてしまったのでしょう。翌日のチケットは、1,000RMBとか2,000RMBとかかなり強気で売っていましたが。 買い手の多くは、欧米人でした。どこかに隠れていた公安か警察官が、取引成立と同時に飛び出してきて捕まえるのかと、ドキドキしながらみていましたが、何の取締りもありませんでした。 中央の白シャツ青年がダフ屋さん [安全検査] 前述の通り、競技開始後に会場に到着したためか、長い行列はありませんでした。ライターと飲食物は持ち込めない、と事前に掲示があります。大きな荷物を持った人の列とそうで無い列に分けられ、最初に偽物を判別する装置によってチケットをチェックされます。次いで、荷物をX線に通して、ゲートをくぐる、と言う手順でした。 安全検査ゲート。イカツい制服は目に付かない... 横断幕やメッセージ性の高い掲示物を没収された、と言う日本の報道があったので、かばんの中身をいちいちチェックされるのかと思っていましたが、金属探知機を通すだけでした。身体検査のゲートも、ベルトのバックルや指輪・ピアスでもピ・ピ・ピと警報がなってしまう中国の空港より、厳しはありませんでした。 この程度の検査ならば、"Free Tibet"のバナーくらい、容易に競技場に持ち込める感じです。 しかも驚いたことに、この"安全検査"エリアにも、制服の警察や武装警察の姿が無かったことです。安全検査を行っているのは、お馴染みになったブルーとホワイトのスポーツ・ウェアを身にまとった"ボランティア"の人たち。私が通過したレーンでは、どうみても学生としか思えない、女の子が数人、ソフトな対応をしてくれました。イカツい公安や警察官の姿を目を凝らして探しましたが、見つけることはできませんでした。 安全検査の"ボランティア"の女の子とチケット判別装置 [スタジアム] 中国の国民的ヒーロー劉翔が出場しないからでしょうか、観客席は7~8割くらいの入りでした。それでも、壮大なスタンドはほぼ観客で埋め尽くされているように見え、圧倒される雰囲気でした。 想定外だったのは、鳥の巣周辺の道路から指定されたスタジアムのシートに座るまで、制服の警察官や武装警察などイカツい警備の人たちの姿を一切見つけることができなかったことです。 指定された入場口でチケットのもぎりがありましたが、ここも例の"ボランティア"スポーツ・ウェアを着た学生と思しき人たちでした。指定通路でシートを案内する人たちもそうでした。1階スタンドの各通路には、2~3名の"スタッフ"が観客のほうを向いて立っているのですが、これもブルーとホワイトの"ボランティア"スポーツ・ウェアを着た人たちです。 とにかく、こんなにもソフトな警備を行っているとは思いもしませんでした。 もちろん、中国のことですから、そんな甘くは無いはずです。私が観戦するスタンドにも、きっとたくさんの公安や警察や武装警察が隠れていたのでしょう。少なくとも私の感じた限り、通路に立っている"ボランティア"スポーツ・ウェアの"スタッフ"は、武装警察官か何かでしょう。大学生と変わらないくらいの年齢ですが、身のこなしが違いました。トラックのほうを振り返ることなく、常にスタンドの観客のほうを向いているのです。穏やかな表情を心がけていたようですが、観客を常に監視してる雰囲気がありました。 お馴染み"ボランティア"スポーツ・ウェア姿の(恐らく)武装警察官 きっと、通路に立っている"スタッフ"の周囲には、観客にまぎれた"応援部隊"がいて、"スタッフ"が不穏な動きを察知したら"応援部隊"に合図して、未然に取り押さえるようになっているのではないでしょうか。 いっぽう、学生の"ボランティア"と思しき人たちは、観客とともに競技に見入ったり、ひと気の無いところでだらしなく休憩をとっていたり、と通路に立っている"ボランティア"に身を扮したプロの武装警察とは、明らかに緊張感の度合いが違いました。 業務をサボって観戦する"ボランティア"スタッフ すっかり疲れてゲート付近で休憩中の"ボランティア" それにしても、イカツい制服警備による"抑止力"が無いので、いたずらごころに"Free Tibet"のバナーでも掲げてみたい衝動に駆られてしまいました。きっと立ち上がった瞬間に、観客にまぎれていた私服武装警察官によって、取り押さえられてしまうのでしょうね。そして、競技観戦に夢中の周りの観客が気付かないうちに、どこかに連れて行かれるのでしょう....。 なお、スタンドの最前列には、警察の制服でも武装警察の制服でもありませんが、明らかに警備員とわかる”制服"を着た警備員が配置されていました。これは日本のドームコンサートでも配置されるシミズスポーツの警備員みたいな感じで、差ほど違和感や威圧感はありませんでした。 オリンピック開幕前は、かなりの緊張感があった北京ですが、開幕して10日以上経ってしまい、緩んでしまったのでしょうか。北京市内の状況について、ある北京市民は馴れてしまったのだ、と言っていました。相変わらず市内の至るところに、"制服"警察官は配置されています。でも、"制服"の人数は明らかに減らされています。 社区(町内会)のおばちゃん、おじちゃんたちが、"ボランティア"ということでオリンピック・スポンサーが提供した真っ赤なポロシャツを着て、市内を歩き回っています。表向きは「道案内」らしいのですが、英語が通じるような人はごく少数です。こうした"ボランティア"のおばちゃん、おじちゃんの中に、公安や武装警察が混じっている、と知人の北京市民は言っていました。 海外メディアの批判をかわし、和やかな雰囲気を作り出そうと、ソフトな警備を心がけている当局の姿勢が強く窺われました。その裏を返せば、北京市内にも鳥の巣スタジアムにも、その他の競技会場にも、たくさんの"便衣兵"(制服を着ていない公安、警察、武装警察、人民解放軍の人たち)が入り込んでいて、しっかりと監視と警備をしている、と言うことなのでしょう。 思い起こせば、世界を駆け抜けた北京オリンピックの聖火リレーで、聖火を"守った"人たちこそ、"ボランティア"と呼ばれ、いま北京オリンピックの会場で"ボランティア"をしている人たちと、同じブルーとホワイトのスポーツ・ウェアを身にまとっていたわけです。 聖火リレーの頃は、聖火を守る"ボランティア"がほんとの素人ボランティアだと信じた人は、居なかったはずです。妨害者から聖火を"守る"身のこなしは、どうみてもプロですし、厳しく怪しい奴らだという印象を抱いた方が多かったはずです。 でも、いま北京では、例のブルーとホワイトのスポーツ・ウェアを着た"ボランティア"の人たちが至るところに居るわけです。そして、多くの人たちは、親切な"ボランティア"だと疑っていません。もちろん、その多くは親切なボランティアなのですが、中には聖火リレーで聖火を"守った"ような人たちも混じっているわけなのです。 あのウェアのイメージを変えてしまった、中国当局の戦略は見事なものだと言えるでしょう。 もっと... |
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